※これは【家づくり体験ストーリーシリーズ】第7話です。
第1話はこちら → [家づくりのきっかけは夫のひと言]
こんにちは。
今回は、土地が決まってから本格的に家づくりを考え始めたときの話をしようと思います。
いざ「ここに家を建てる」と決まると、これまで漠然としていた理想のイメージを、少しずつ言葉にしていく必要が出てきました。
私はこれまで家づくりに携わってきた立場ですが、夫や家族にとっては家づくりは初めての経験です。
私自身、素敵な家を建てるために動くのは当たり前のことだと思っていましたが、同時に「どうすれば家族の不安を取り除きながら進められるか」「どうやって希望を引き出し、満足のいく家づくりにしていけるか」という小さなプレッシャーも感じていました。(笑)

私たち家族は、夫婦と大学生の子ども2人の4人暮らし。
上の子の進学を控えた時期に、「この先の暮らしを見据えて家を建てよう」と家づくりをスタートしました。私自身は、住宅設計の仕事に長年携わってきたので、ある程度の知識はありますが、夫や子どもたちにとっては初めての家づくり。
家族みんなが納得できる家を、できるだけ効率よく、そして楽しくカタチにしていく。
そんなわが家の、きっかけから完成までのリアルな家づくりストーリーをお届けしていきます。
同じように家づくりを考えている方の中にも、
「何から整理すればいいんだろう?」
「どうやって家族で意見をまとめたらいいんだろう?」
と悩む方はきっと多いと思います。
私たちが夫や家族と一緒に話し合いながら進めていった計画が、最終的には「この家を建ててよかった」と思える結果になりました。
この経験が、これから家づくりを始める方の参考になれば嬉しいです。
家族で最初に話し合ったこと
最初に家族で考えたのは、
「この家でどんなふうに暮らしたいか」
「どんな空間があれば心地よいか」
という、一番大切な部分でした。
一つひとつ理想を話しながらも、現実の予算や土地の広さ、暮らし方の優先順位もきちんと考える必要があります。
たとえば都心で大きなプールや庭を作るのは、現実的には難しいことです。
家族からはさすがにそんな要望は出てきませんでしたが、
「これからやってみたいこと」「こう暮らしたいこと」よりも、
「これまで生活してきた中で、こうだったらもっと快適だろうな」
という視点で意見を出してもらうようにしました。
たとえば、こんな声が上がりました。
・広いリビングとつながる広いバルコニーがほしい
・自転車をこげるトレーニングルームがほしい
・ガレージがあると便利
・全館空調があればどこも快適に過ごせそう
・共用のリビングや洗面は明るい空間がいい
・キッチンは家族みんなで作業できる広さがほしい
いろいろ話し合う中で、夫や家族のイメージを引き出すために、
インスタやピンタレストなどを使って、気に入った写真を保存してもらうようにしました。
私自身もいろいろな事例を参考にしながら、自分の軸を少しずつ固めていきました。
家族は「これもいいよね」「こんなのも素敵だね」と、イメージがどんどん膨らんでいったようです。
このタイミングこそ、私のプロとしての腕の見せどころでした。
私は、要望書をつくることが最短でいい結果につながると考えています。
・きちんと要望を文章にする
・イメージ画像を絞り込む
・家族の優先順位をはっきりさせる
・あとから「言った・言わない」にならないようにする
・設計士さんにしっかりと意図を伝え、図面に反映してもらう
これまで家づくりに携わってきた経験からも、
「相談に来たときに初めて話し合いを始めるご家族」や
「よくわからないので、とりあえずお任せします」という方もたくさん見てきました。
また、「まずは一案作ってもらってから考えます」というケースも少なくありません。
もちろんそれも一つのやり方です。
ただし、打ち合わせの時間は限られています。
準備がないまま進むと、時間が足りずに話がまとまらないままその日が終わってしまうことも多いのです。
「なんとなくこのくらいで……」ではなく、
事前にしっかり整理をしておくことで、限られた打ち合わせ時間を充実したものにできると思います。
こうして、家族それぞれの想いや希望を話し合いながら、私たちの家づくりは少しずつ具体的になっていきました。
次回は、実際にどんな要望を書き出したのか、私たちがまとめた要望書の内容をお話ししようと思います。
この経験が、みなさまの家づくりの参考になれば嬉しいです。
次回へ続きます。