こんにちは。OFEです。
みなさん、新築で家を建てるとき、無駄な出費は押さえたいですよね?
また、新築で家づくりを考えているあなたは、SNSやサイト、知人の話を参考にして、さまざまな設備に興味をもっていることでしょう。
本日解説するテーマは、「つける人が減ってきている無駄な設備10選」です。
よさそうだと思ってマイホームに設置したけど、ほとんど使わなくなってしまって無駄だった、ということになったら嫌ですよね。
以前は多くの人が設置していたのに、最近ではあまり見かけなくなった設備には、それなりのデメリットがあります。設計で関わるお客様や私自身の経験をもとに、失敗だったと思う設備についてお話していきます。
今回の記事は以下のような人におすすめ
- 新築時、家を建てるとき無駄な出費は押さえたい。
- どんな設備が便利で、どんな設備はいらないのか知りたい。
- 予算内オーバーしているから設備の見直しをしたい
これから家を建てる皆さんには、この記事を読んで、無駄な設備をしっかり判断し、必要で便利な設備を取り入れて、おしゃれで快適な生活を送ってほしいと思います。
それでは、無駄な設備10選を順にご紹介していきましょう。
この記事を書いている筆者は、建築士・インテリアコーディネーターとして20年間住宅業界に携わってきました。2児の母として子育てをしながら、マンションや一戸建てに住み、使いやすい住宅を追求してきました。分譲マンションを購入し、7年間住んだ後、これまでの経験をもとに注文住宅を建てることを決意し、2年前に完成した家に現在住んでいます。このように様々な住まいを経験し、携わってきた私が、その体験をもとに解説していきます。
新築でつけなくなっている無駄な設備10選
まず、新築の住宅につける人が減っている設備をリストアップしてみます。
- 大型浴槽
- 食洗器
- 浴室乾燥機
- 床下収納庫
- 掘りごたつ
- ビルトインオーブン
- 天井裏収納 小屋裏収納
- 天窓
- 大きな収納
- 吹き抜け
いかがでしょうか?
これらの設備について、なんとなくイメージがつきますか。現在、検討中のものはありますか。
それでは、1つずつ細かく解説していきます。
1、大型浴槽
こちらは言葉通り、大きな浴槽のことになります。
大きな浴槽はお子さんがいる家庭に人気の設備です。子どもと楽しく一緒にお風呂に入ることを楽しみに、大きなシェル型浴槽をつけたいという人が多くいます。また、大きな丸形の浴槽は高級感があり、見栄えも良いとのことでつける方もいらっしゃいました。
しかしながら、
・掃除が大変
・水道代がかかる。
設置後に水道代の値段に驚き、極力たっぷりお風呂のお湯をためないようにする方もいました。お子さんが小さいうちは一緒にお風呂に入れて楽しいですが、お子さんが小さい時期も限られます。大きくなってから、広いスペースに一人で入るのは寂しいものです。それらも考慮して大きさを決定してください。
おすすめの代替設備
最近では、普通サイズ(楕円型)で節水できるタイプがよく選ばれています。
浴槽の中にベンチのような段差あり、その分節水できる形です。そのベンチの場所にお子さんが座ったり、半身浴を楽しんだりできます。また、高齢者が足を突っ張れて溺れにくいというメリットもあります。
食洗器(食器洗い乾燥機)
上部から入れる引き出し式の食洗器をつける方は今も多くいらっしゃいます。
しかし、おすすめできません。
小さめでビルトインができ、手洗いより節水・エコだということで、人気がありますが、4人家族分の食器や鍋を洗うには小さすぎることが多いです。設置はするものの、実際はあまり使用されず、結局は手で洗うという声もよく聞かれます。
おすすめ代替設備
おすすめの食洗器はフロントオープン型の食洗器です。
ミーレやBOSCHなどの海外メーカーの商品が人気です。フロントオープンで大容量のため、グラスから鍋まで一度に洗うことができます。また、乾燥モードはなく、洗った後に自動でオープンされ、自然乾燥を促します。
筆者もミーレのフロントオープン型を使っていますが、大容量で入れやすく、取り出しやすい点に非常に満足しています。海外製ですが、日本の生活スタイルに対応しており、箸を置いて洗うスペースなども考慮されていて使いやすい商品だと感じています。
浴室乾燥機
浴室乾燥機(浴室乾燥暖房機)は、浴室を温めたり乾かしたりできる設備です。
電気式とガス式がありますが、多くの場合は電気式です。浴室を早く温めることができ、ヒートショックを防ぐ効果もありますが、洗濯物を乾かす設備としては不十分です。
4人分の洗濯物を乾かすには4~5時間かかり、ドライヤーのような風を当て続ける形になります。そのため、電気代も高額(1回あたり170~200円)で、コストパフォーマンスに優れているとは言えません。また、一部はよく乾いているものの、風の当たりにくい部分は乾いていないこともあり、場所の入れ替えなどもする手間がかかります。
おすすめ代替設備
乾燥機としての利用を考えているならば、ガス会社から販売されているドラム式の乾燥機(乾太くん)がおすすめです。ドラムを回転させて均一に熱を送るため、ムラができにくく、ガスを利用することで短時間で乾かすことができます。4人分ならば1時間30分ほどで乾燥でき、ガス代は約70円~100円です。干して取り込む時間も短縮できます。
床下収納庫
床下収納庫はキッチンなどの床下に600㎝角ほど大きさでつくる収納庫のことです。
床下に収納することで、目立たずデッドスペースを利用できることがメリットとなりまますが、下記の理由で利用されることが少なく、今では設置されなくなっています。
・床下なので蓋を開けてわざわざ使うのが面倒。
・床下なので、ものを取り出す時に意外と力がいる。だから重たいものは入れられない。
・湿度が高かったり、温度が一定ではないので、基本的には生ものは入れられない。
・蓋となる床が弱く、きしみ音が鳴る。
・掃除がしにくい。
おすすめ代替設備
パントリーです。パントリーとはキッチンの近くに設置する収納庫です。
間取りにうまく組み込むことによって家事がはかどる大変便利なものとなります。
広さは2畳くらいでパントリーをつくると雑多になりがちな食品のストックや家事の道具を置くことができます。また、目かくしをしながらも、取り出しやすいというのが特徴です。好みの形状や大きさにできるので、ぜひプラン作成の際に相談してみてくだい。
掘りごたつ
掘りごたつは和室で長時間座る際、座りやすいといったことで人気がありましたが、掃除がしにくいなどの理由、また和室自体が少なくなっている理由で減っている設備です。
おすすめ代替設備
最近では夏はコーヒーテーブル、冬はこたつにできるテーブルがあります。
こたつにする場合には椅子に対応できる高さのものもありますのでぜひお気に入りのものを見つけてください。
ビルトインオーブン
キッチンにすっきり収まって料理好きにはたまらない商品であるビルトインオーブン。
ガス式で火力も強く、庫内が広くていろいろな料理をつくることができるため、料理好きの奥様には人気のあるものでした。
しかしながら、
・スペースを取る分そのほかの収納を確保できない。
・オーブンを設置するのがどうしても低いところに設置するため、しゃがむ動作で操作することとなり面倒になってしまう。
・故障した際に業者さんを呼んで修理してもらうため、費用が高額となってしまう。
このような理由から徐々に設置する人がすくなくなっています。
おすすめ代替設備
市販の置き型のオーブンレンジでも形もかっこよく多機能なものが多くあります。
キッチンカウンターと同色のものを選ぶとスタイリッシュでインテリアを邪魔しません。
天井裏収納(小屋裏収納)
天井裏収納とは天井裏のデッドスペースを利用して収納とする方法です。
収納場所が増えるなどのメリットがあり、人気のあった時期もありますが、下記の理由で利用されることが少なく、今では設置しないことが多いです。
・しっかりした床板を張ることが必要とされ、収納用階段や梯子を設置するので意外とコストがかかる。
・いちいち階段を設置しないと登りおりができない。
・大型商品を持ち上げて持っていくのが負担。
・天井が1.4mと低いため、立てない。
・掃除がしにくい。
おすすめ代替設備
玄関横に大きめのクローゼットを設けると利用頻度があがる収納ができあがります。階段下などの空いた空間も扉等とつけてもらうことで収納として活用できます。
天窓
天窓は暗い部屋に光を届けるのに適している窓です。隣地との距離が少なく窓から最高が取れない場合や空を見れるという点から特別な窓として人気がありました。
しかしながら、雨音が大きい、雨漏りがしやすいなどのデメリットがあります。そして多くの日本の窓メーカーが天窓の販売を撤退したことにより設置数が大幅に減りました。現在設置される天窓はベルックスという会社のものが多いです。
大きな収納
家を建てる際、収納がたくさんある家が欲しいというご家庭は多くいます。しかしながら、大きすぎる収納を設けてしまうと奥のものを取り出すのに、前のものを移動しながら取り出さなければならないという不便さでおすすめしません。
おすすめ代替設備
それぞれの部屋の大きすぎない収納を設けることをおすすめします。
収納は奥行きが深すぎない方が便利です。
キッチンの横にはパントリー。玄関横にはシューズクローゼット、そのほか洗面脱衣所にタオルや脱衣用の収納など適材適所に設置することが大切です。ゴミ箱スペースは忘れがちなスペースですが、現在はゴミの分別も多く、ゴミ箱の数も多くなるので、設計の段階からスペースを考えておくと、通り道にはみ出すことなく、すっきりとした部屋になります。
吹き抜け
吹き抜けは注文住宅で、人気の高い設備ではありますが、デメリットもあるので冷静に考えることが必要な設備です
メリット
- 高い位置に窓を設置できる。
- 解放感がある。
- 2階との空間につながりができる。
デメリット
- 高所のメンテナンスが難しい。
- 光熱費がかかる。
- 床板を張らない分ローコストと思われがちだが、意外とコストがかかる。
- 音が広がり、うるさい
このように、吹き抜けをつくってしまってからはどうにもできないので、デメリットを理解した上で、欲しいのであればぜひ設置してください。
まとめ
以上、つける人が減ってきている無駄な設備10選について解説してきました。
紹介した設備が必ずしも無駄になるわけではありません。
実際、筆者の家にも浴室乾燥機や天窓があります。設置してみた感想ですが、浴室乾燥機はガスの乾太くんがあるため、利用の機会が少なく不要だったかもしれません。しかし、お風呂に入る際、寒ければ暖房を、暑ければ涼風を出せるので、今後利用する機会が増えるかもしれません。
北側の洗面室上部に設けた天窓は、夏でも直射日光が入らず、上からの光が入るため、とても明るく気持ちの良い空間になっています。これはつけて正解だったと思っています。
自分のライフスタイルを考慮し、設計やプランの中で、提案を受けた際には、一度立ち止まってじっくり考えることで、無駄な支出を抑えることができます。無駄な設備を避け、適切な予算配分で快適な家を作りましょう。