※これは【家づくり体験ストーリーシリーズ】第4話です。
第1話はこちら → [家づくりのきっかけは夫のひと言]
前回のお話でお伝えした、始めた土地探し。2か月が経ち、候補として残った2つの土地をさらに具体的に検討するため、ハウスメーカーへ相談に行ったときのことをお話ししようと思います。理想と現実のバランスをどこで取るのか。家族で話し合いながら進めた体験が、これから家を建てる方の参考になれば嬉しいです。
土地を最終決定する前に、実は家を建てる会社も探し始めました。それは、どんな土地を選ぶかだけでなく、その土地にどれだけ建築コストがかかるのかを把握しないまま決めることが怖いと思ったからです。
同じ広さの土地でも、条件次第で必要な工事費用は大きく変わることを知識として知っていました。だからこそ、土地と建物をトータルで考えて予算を組むことが、私たちにとって先に進む一番の安心材料でした。
また、この段階で動いておくことで、土地が決まってからよりも多くのハウスメーカーをじっくり検討できると思ったのです。
実際にどう動いたかというと、やみくもに展示場に行くのではなく、まずは夫婦で「デザインから入ろう」と決めました。どんなデザインの家が建てたいかを一番最初に考えることが、気持ちの整理にもなりそうだと思ったからです。この段階でネットで一括資料請求をしたりもしました。
その他、ネットで検索できるものはたくさん検索し、申し込みもしました。
夫からは、近所で建築中の住友林業の家が良さそうだという意見が出ました。通りがかりに見かけて「かっこいい」と思っていたのは三菱地所ホーム。石や木、タイルの素材使いが上手で私もその外観に惹かれていました。
そして、近所で時々現場を見ていたデザイン事務所のT・アーキテクト。シンプルなのにどこか存在感があり、洗練されているように感じていたので、この3社を中心に話を聞くことにしました。
私たち家族は、夫婦と大学生の子ども2人の4人暮らし。
上の子の進学を控えた時期に、「この先の暮らしを見据えて家を建てよう」と家づくりをスタートしました。私自身は、住宅設計の仕事に長年携わってきたので、ある程度の知識はありますが、夫や子どもたちにとっては初めての家づくり。
家族みんなが納得できる家を、できるだけ効率よく、そして楽しくカタチにしていく。
そんなわが家の、きっかけから完成までのリアルな家づくりストーリーをお届けしていきます。
ハウスメーカー3社への問い合わせと対応についても少しだけ。
・三菱地所ホーム
最初にご連絡したのは、以前名刺をいただいていた三菱地所ホームの担当者へのメールでした。
「気になっている土地がいくつかあり、土地代と建築費を合わせた予算で検討したい」と相談。さらに、「建物を○○くらいの金額で建てたいが可能か」「簡単なプランをお願いできるか」と問い合わせました。
その後、女性の担当者が迅速に対応してくださり、1週間ほどで2パターンのプランと概算見積もりが届きました。平地の土地なら予算内、高低差のある土地だと約1,000万円ほどオーバーする見込みとのことでした。
全館空調やフルオーダーシリーズについても質問しましたが、どれも丁寧に回答してくださり、好印象を持ちました。
・住友林業
住友林業は、近所に建築中の家を見て気になっていたので、ホームページから実例カタログを請求しました。すると、営業所から連絡があり、「一度お越しください」とのことで、訪問することに。
土日の営業所は大きな会議室に何組も家族が来ていて、少し慌ただしい雰囲気でした。担当者は「できる営業マン」という感じでしたが、具体的なプランや金額の提案はなく、「土地がしっかり決まったらまた相談しましょう」と言われて終了。正直なところ「これならメールでも良かったのでは…」と思いました。
T・アーキテクト
T・アーキテクトは、設計部門を持つ工務店という位置づけ。メールで問い合わせをして、土地の資料を持って相談に行きました。
担当してくださったのは営業ではなくトータルコーディネーターの方で、落ち着いた雰囲気でした。モデルルームはなく、完成見学会が中心とのこと。私たちがどんな家を建てたいかについてはよく耳を傾けてくださいましたが、具体的なプランや見積もりの話は出ず、そのまま終わりました。こちらの本気度が伝わらなかったのか、少し物足りなさを感じたのが正直なところです。

相談を終えて感じたこと
三菱地所ホームは、最初の対応も丁寧で、設計の提案も現実的。土地が決まればぜひ一緒に進めたいと思える会社でした。
一方で、住友林業とT・アーキテクトは、それ以上に深く話を進めたい気持ちは湧かず、もう十分かな、という印象で終わりました。
ハウスメーカーに相談したことで、理想のデザインと現実的な予算のギャップも見えてきました。自分たちの理想の家を建てるなら、もう少し予算を増やす必要があるかもしれないと感じました。夫も「金額は少し増えてもいいから納得できる家にしたい」と考え始めていました。
また、対応してくださる方によってもきっと最終系に大きな違いが出てくるんだろうなと改めて感じました。
やはり家を建てる上で、私たちが一番重要だと思ったのは、こちらの意見が通りやすく、型にはまりすぎない柔軟な姿勢で対応してくれることでした。
さて、最終的に残った2つの土地が、どうなったかというと…決められずにいました。
なんかそれ以上進めなかったのですね。その後、しばらく新しい土地が出てこない時期が続いたので、切り捨てた土地をもう一度見返してみたりもしました。でも、なかなかその先に踏み出す気持ちにはなれませんでした。
「なんとなく、ここではない気がする。」
そう感じていた矢先、新しい土地が出てきました。
これまで探していたエリアから1キロほど離れた場所にあったその土地は、大手の三井住友トラスト不動産から提案があったものでした。さらに数日後には、工務店からも同じ土地の提案が。
これが意外と「良いかもしれない」と感じました。駅からも遠すぎず、緑や公園が近く、少し広めの道路に面しているため容積率も高い。これまで見てきたどの土地よりも、理想の家が建てられるイメージが湧いたのです。
数日にわたり何度も足を運びましたが、印象は悪くなく、むしろ「ここかもしれない」という気持ちが強くなっていきました。
不安はありましたが、私たちはその土地を選ぶことに決めました。
「あと数年待てばもっといい土地が出てくるかもしれない」と考えたこともありました。でも、家族の年齢やタイミングを考え、「今だと思う」と夫が言った言葉が決め手になりました。
さてこの続きは次回にお話しします。
この土地を選んでさらに行動したこと、契約の話へと進んでいきます。
次回も読んでいただけたら嬉しいです。
第5話へつづく→第5話|ようやく一歩。土地を申込み。始まった本当の準備