※これは【家づくり体験ストーリーシリーズ】第3話です。
第1話はこちら → [家づくりのきっかけは夫のひと言]
こんにちは。
今回は、私たちが家づくりを進める中で、実際に相談した3社の不動産会社からどのような情報をいただいたのか、土地探しをどのように進めたのかをお話ししようと思います。
どのように候補を見つけ、絞り込み、そして迷いながら選んでいったのか。
土地の決定に至るまでの過程を、体験を交えながらお伝えします。
まずは、3社の不動産会社の方の印象です。
大手不動産会社の三井トラスト不動産の担当の方は、おっとりとした穏やかな雰囲気の方でした。
押しつけがましい感じは全くなく、むしろ謙虚で優しい印象の男性で、決められた手順に沿って淡々と手続きを進めてくださいました。
私たちも最初は緊張していましたが、その落ち着いた対応に少し気持ちがほぐれたのを覚えています。
一方で、LANDIXの担当の方は「できる営業マン」という言葉がぴったりの方でした。
メールや電話を中心にやりとりをしていましたが、希望に近い土地が出るとすぐに情報を送ってくださり、スピード感がとても頼もしかったです。
工務店の社長さんも、たくさんの情報を惜しみなく提供してくださいました。
工務店ならではの視点で、建物を建てるときの注意点やその土地の特徴を詳しく教えてくださったのが印象的でした。
フットワークも軽く、候補の土地が出るたびに現地まで見に行って感想を伝えてくださり、見返りを求めずにいろいろなアドバイスを発信してくださる、とても信頼できる方でした。

3社については、希望の場所とおおよその土地の広さを伝えると、各社ともチラシや資料をファックスやメールで送ってくださいました。
最初にお願いしてからしばらくの間で、3社あわせてトータルで15件ほどの土地を紹介してもらいました。
それぞれの会社から同じ土地の情報をいただくこともあり、物件の数がどんどん増えていくというよりは、似たような候補を何度か確認するような進め方でした。
もともと場所をある程度絞っていたこともあり、条件に合う土地が次々と出てくるわけではありませんでした。
広さや価格なども多少幅を持たせながら提案していただいて、その中から検討を重ねていく形でした。
私たちも、不動産会社からの情報だけに頼らず、アットホームやスーモといった土地情報サイトを使って自分たちでも検索をしました。
遠くても車で15分から20分ほどの圏内に絞っていたので、ほぼすべての土地を実際に見に行きました。
たいていはまず私が現地を確認し、良さそうだと思った土地を夫が後から見に行くという流れでした。
情報サイトに掲載されている土地は、不動産会社の名前が出ているものが多かったのですが、これ以上やりとりする窓口を増やすのは負担に感じたこともあり、新しい会社には相談しませんでした。
おおよその住所がわかる範囲で、その周辺を自転車でまわって場所を確かめることもよくありました。
どうしても気になる土地があれば、先に相談していた3社に情報を確認してもらうようにしていました。
けれども、実際に見に行っても条件に見合わないことが多く、最終的に候補として残った土地は、どれも不動産会社から紹介していただいたものでした。
私たち家族は、夫婦と大学生の子ども2人の4人暮らし。
上の子の進学を控えた時期に、「この先の暮らしを見据えて家を建てよう」と家づくりをスタートしました。私自身は、住宅設計の仕事に長年携わってきたので、ある程度の知識はありますが、夫や子どもたちにとっては初めての家づくり。
家族みんなが納得できる家を、できるだけ効率よく、そして楽しくカタチにしていく。
そんなわが家の、きっかけから完成までのリアルな家づくりストーリーをお届けしていきます。

土地を探していると、やはり「完璧に理想通りの土地」というものはほとんどないのだと感じました。
広さや形がちょうどいいと思った土地は、ハザードマップにかかっていて浸水リスクがあることがわかりました。
駅から近い土地もありましたが、採光が思った以上に悪かったり、周辺の騒音が気になったりする場所もありました。
また、広さは理想的でも、私道の一番奥に位置していて車の出入りに不便があったり、電線の移設が必要になるため、不動産会社の方から「おすすめはしません」と言われた土地もありました。
さらに、隣の家の住人の方がなんとなく癖がありそうで、将来的なトラブルが気になった土地もありました。
既存の建物が残っている場合には、解体費用が別途かかることもあり、価格だけを見て安易に決められないと感じました。(ちなみに解体費用の相場は250万から500万円とのこと。)
我が家が気に入った土地は高低差のある土地で1階の車庫部分が鉄筋コンクリート造となっていたので、実際に見積もってもらったところ、解体には500万弱かかることがわかりました。
(特にこの土地は、場所も環境も良かったのでいつまでも候補には残っていました。でも、交渉していく中で、売り主の方の寄り添いを感じられず、最終候補には残らず…。)
土地を調べるうえでは、不動産会社の資料だけに頼らず、必ず周辺の環境や道の広さ、付近の雰囲気を自分たちの目で確認しました。
実際に現地を訪れてみると、広告や図面だけではわからないことが本当にたくさんあると改めて実感しました。
実際に土地を訪れて、一番に感じたのは陽の入り方や影の落ち方でした。
午前中から午後2時頃までの時間帯に足を運ぶことが多かったのですが、同じ敷地面積でも、なんとなくじめっとした印象があったり、全体が暗い印象の場所もありました。
こうした直感も大切にしていて、自分たちがそこで暮らしているイメージが湧かない土地は、早い段階で候補から外していきました。

どの土地も価格に大きなばらつきがあるわけではありませんでしたが、気に入った場所が見つかると、近隣の㎡あたりの相場や公示価格も調べました。
公示価格については、国土交通省のウェブサイトで確認できますし、路線価も国税庁のサイトから調べることができます。
ハザードマップも国土交通省のページで確認し、浸水や地震のリスクがないかを慎重に確認しました。
さらに、都市計画の地域区分や用途地域をもとに、建ぺい率や容積率を調べ、どれくらいの大きさの建物が建てられるのかも検討しました。
土地の形状をもとに、車の出し入れのシミュレーションも行い、将来の暮らしを具体的にイメージしながら進めました。
こうして、最初に土地を紹介してもらってから約2か月間、たくさんの候補を検討してきました。
いくつもの土地を見て、資料を集め、自分たちの足で確認しながら、少しずつ条件に合う場所を絞り込んでいきました。
最終的に候補として残ったのは、2つの土地です。

やはり、大きな買い物は簡単には決められません。
設計事務所で働いていた頃には、いくつもの案件を担当してきましたが、その多くは土地がすでに決まった状態でお話をいただくことがほとんどでした。
いざ自分たちの家となると、土地探しも未来に向けてわくわくする反面、こんなに決めるのが大変なのか…と実感しました。
次回は、土地を見ていって次にどんな行動に出たのか、そして最終的にどちらを選んだのか、そのときの経験をお話ししていこうと思います。
ぜひ私たちの経験が誰かの家づくり計画の参考になれば嬉しいです。